特定名称酒とは?日本酒を楽しむための8つのカテゴリー完全ガイド

特定名称酒の概要

特定名称酒の概要

特定名称酒とは、日本の伝統的な酒造りにおいて、製造方法や品質基準に基づいて厳格に分類された日本酒のカテゴリーです。
日本酒には多くの種類がありますが、特定名称酒は日本酒法により定められた8つのカテゴリーに分類され、それぞれが異なる製造プロセスや精米歩合を持っています。
これにより、日本酒の多様な味わいと香りを消費者に届けることが可能になり、またそれぞれのカテゴリーに特有の特徴があるため、消費者が自分の好みや楽しむシーンに応じて日本酒を選びやすくなっています。

8つの特定名称酒の分類

1. 大吟醸酒

特徴: 大吟醸酒は、精米歩合が50%以下まで磨かれた米を使用して造られる特別な日本酒です。
この精米歩合とは、米粒の外側を削り落とし、中心部分だけを使用することで、雑味が減り、透明感のある味わいが生まれます。
大吟醸酒は通常、低温で長期間かけて発酵させ、果実のような華やかな香りと繊細な味わいを引き出すことが特徴です。
香りもフルーティーで、特にリンゴやメロンのような香りが立ち上り、クリアで透明感のある飲み口が魅力となっています。

精米歩合: 50%以下

原材料: 米、米こうじ、醸造アルコール

味わい: 優雅でフルーティー、透明感のある澄んだ味わいが特徴で、華やかで高級感あふれる飲み心地が楽しめます。

2. 吟醸酒

特徴: 吟醸酒も低温で長時間発酵させることで華やかな香りを引き出しますが、精米歩合が60%以下とやや高めです。
これにより、大吟醸酒ほどの香りの強さはありませんが、軽やかな飲み口でバランスの取れた味わいが楽しめます。
吟醸酒には果実のようなほのかな香りと、爽やかな酸味が含まれており、飲みやすさが特徴です。

精米歩合: 60%以下

原材料: 米、米こうじ、醸造アルコール

味わい: ほのかな果実の香りと軽やかな飲み口で、特に初心者やワイン好きの人にも親しみやすい味わいです。

3. 純米大吟醸酒

特徴: 純米大吟醸酒は、米、米こうじのみで醸される日本酒の最高峰とされる酒です。
精米歩合50%以下の米を使用し、米の純粋な旨味と繊細な香りが調和した優雅な味わいを堪能できます。
醸造アルコールを使用せず、米本来の風味が引き立つため、特に米の旨味を大切にしたい場合におすすめの日本酒です。

精米歩合: 50%以下

原材料: 米、米こうじ

味わい: 米の豊かな旨味とフルーティーな香りが融合した、贅沢で滑らかな味わいが特徴で、特別な食事やお祝いの席にふさわしいお酒です。

4. 純米吟醸酒

特徴: 純米吟醸酒は、精米歩合が60%以下の米を使って造られ、米、水、酵母のみで仕込まれるため、米本来の風味と華やかな香りを楽しめます。
滑らかでバランスの良い味わいで、料理とのペアリングにも適しており、幅広い場面で楽しめる日本酒です。

精米歩合: 60%以下

原材料: 米、米こうじ

味わい: 米の旨味がしっかり感じられ、上質で滑らかな口当たりが魅力。
華やかさもありながら穏やかなので、和食やイタリアンなど多様な料理と合わせやすいです。

5. 純米酒

特徴: 純米酒は、米、水、酵母のみで造られ、精米歩合の制限はありません。
米のコクや旨味がしっかりと感じられる、日本酒本来の素朴な味わいが特徴で、温めることでさらに深い味わいが引き出されます。
冷やしても燗酒でも美味しく、四季を通じて楽しめる万能な日本酒です。

精米歩合: 制限なし 

原材料: 米、米こうじ

味わい: 豊かな米の旨味と深いコクがあり、温度帯を選ばず楽しめる日本酒です。
家庭の食卓にも合わせやすい一品。

6. 特別純米酒

特徴: 特別純米酒は、精米歩合が60%以下または特別な原材料米や製法で造られた純米酒です。
純米酒のコクを維持しつつも、洗練された味わいが楽しめるのが特徴です。
風味のバランスが取れているため、料理との相性も抜群で、特に魚介類や軽めの肉料理とよく合います。

精米歩合: 60%以下(精米歩合をもって特別純米と呼称する場合)

味わい: 深いコクとすっきりした後味の両方を兼ね備え、繊細な料理や日常の食事にも合わせやすいお酒です。

7. 本醸造酒

特徴: 本醸造酒は、精米歩合70%以下の米を使用し、少量の醸造アルコールを加えることで、すっきりとした飲み口を実現しています。
軽やかで清涼感のある味わいが特徴で、燗酒にしても美味しいため、温かい料理と一緒に楽しむのにも向いています。

精米歩合: 70%以下

原材料: 米、米こうじ、醸造アルコール

味わい: 軽快で爽やかな飲み口、程よいキレのある味わいが特徴で、特に温かい料理や鍋物と好相性です。

8. 特別本醸造酒

特徴: 特別本醸造酒は、精米歩合が60%以下または特別な製法で醸造された本醸造酒です。
少量の醸造アルコールが添加されているため、なめらかな口当たりとクリアな味わいが特徴で、様々な料理との相性が良いです。

精米歩合: 60%以下(精米歩合をもって特別本醸造と呼称する場合)

原材料: 米、米こうじ、醸造アルコール

味わい: 軽やかでありながら深みがあり、バランスの良い味わいが特徴で、和食や洋食、あっさりとした料理とも合わせやすいです。

 

特定名称酒の選び方

特定名称酒は、場面や料理との相性に応じて選ぶと良いでしょう。
フルーティーで華やかな香りが楽しめる「大吟醸酒」や「吟醸酒」は、特別な日の乾杯やデザートとのペアリングにぴったりです。
また、米の旨味や深いコクを味わいたい場合には、「純米大吟醸酒」や「純米酒」が良い選択です。
食中酒として万能なのは「本醸造酒」や「特別純米酒」で、これらは幅広い料理と調和しやすく、食事全体を引き立ててくれます。

終わりに

特定名称酒は、日本酒の多様な魅力を伝えるとともに、消費者が自分の好みに合った一本を見つける手助けをしてくれます。
飲むシーンや一緒に食べる料理に合わせて特定名称酒を選び、自分だけの楽しみ方を見つけてください。

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